2024/06/04
メディカルグレードの精油〜食品添加物だから〜という戯言に注意して
工事期間中、ご迷惑をおかけしております。
まだまだ先は長く(笑)でも外のお風呂に入りに行ったり、美味しいご飯を探したり。
過去の整理をしてみたりして色々と新しい環境のために頑張っております。
さて・・・爽やかな画像に反して、今回はかなりの辛口投稿です。
特にアロマを安易に使っている方々への注意喚起なので、是非とも目を通してほしいです。
先日施術にお越しのお客様。
ある精油メーカーの精油を勧められ、精油だけでなくミネラル補給として何やら飲むといいよとお薦めされたとか。
体のだるさ、軟便、食欲不振などがありその結果、腰痛や帯状疱疹のような症状もあるとのことでした。
お話を伺いながらお客様の白眼が赤くなっている(結膜下出血)ことを確認します。この状態は漢方医学的に肝の鬱血によるもので、多くの場合肝臓に負担がかかっていることを示します。(肝の不調は肝臓の不調だけではありません)。
ここでさらにお話を進めると精油の原液を頭に何滴か塗られたりヘッドスパと称して精油をそのまま塗られたりしたとか・・・。
メディカルグレードの精油だから安心だよ、このメーカーのものは品質が安全だよ、社会貢献をおこなっている会社だから多くの芸能人やモデルさんも使用とか・・・。
こうした謳い文句は定番なんでしょうか。。。以前別のところでも聞いたことあります(笑)
同時にご家族の不調のためにミネラルを勧められたものの、子供さんにそれをいきなり飲ませるのは・・・と危惧されご自身で飲んで様子を見ていたとのことです。
お体をみると、硬膜管の捩れ、頭蓋の硬さ、肝臓、脾臓あたりの制限がみられひどいお体・・・。
構造的だけではなく別の領域にも重さ、硬さ、乱れがあるわけです。
さて、こうしたお体をケアして最後にお客様にお話をするのですが、その内容をこちらでシェアさせて頂こうと思います。
(ちなみにこの翌日お客様の発疹は薄くなりお体も楽になったとご報告ありました!!バンザイ)
精油は有機化合物の集合体であるということ
この手のメーカーをお薦めしている方々の投稿を見ると、自然療法をメインに体に優しい生活とか、人によってはキラキラした生活とか、これを使うことで裕福になれますよ、という投稿が見えます。
そこまではいいの、ご自身がやりたいやりたいことしてればいいから。
でも、そこから発展して、不調のある方へのアロマ購入の勧誘やもっと行くと小さなお子さん、学童期のお子さんの不調を逆手にとってこれを飲むといい、これを塗るといい、水に精油を入れるとデトックスになるなど・・・。
それは何をしているかを一度立ち止まって考えてほしい。
まず第一に医療行為をしているということ。日本では治療は医師・歯科医師のみが法律で認められている。アロマはあくまでもその下にしかいられなくて、お薬要らないよね!アロマで十分!っていうことも、本来はタブー。
私はお薬をなるべく使わない世界を目指しているのですが、彼らのいう「風邪ならこのブレンド、湿疹ならこの精油」みたいな発信は現在一切していません。
それは精油が化学的な成分である有機化合物であるから。
精油を学べば知っているはずなのに。ウインターグリーンがサリチル酸メチル99%含むってどういう作用を体で起こしているか。
メントールを含むミントの精油がどんなふうに体に作用するか。ユーカリプタスに含まれるシネオールでは何か起こるのか。
そんなことを考えつつ匙加減でやるべき世界を、彼らは最も簡単に「これ使っていれば大丈夫!」と発信します。
毎日精油を飲めば、それは『有機化合物を毎日体内に入れているということ≠薬を毎日飲んでいること』に類似していることを知っておくべきです。
ケモタイプ精油の概念を知ると、安易に精油のブレンド商品は手にできないはず。
同じローズマリーでも、産地、気候、土壌、採取時期によって微妙に成分が変化しています。それが植物本来のものから採る精油のお話。ローズマリーでも中には呼吸中枢に作用したり神経の髄鞘にしてしまう成分があるということ。
「Rosemary」とだけ書いてある精油には信憑性がないことを知っておいてほしいです。
体は常に排泄をする機能を持っている
体は基本口から入れたものを消化吸収して体に必要な栄養素や物質に変えていく力を持っています。
そして不要なものや毒のあるものを排泄しようとする力があります。
同時に、必ず口から入れたもの経皮吸収したものは全て「代謝」という機能を使って分解しています。これは食べ物も一緒で、中医学的にいうと、全て「外邪(がいじゃ)」となります。だから食物アレルギーなどがあるわけですね。
体にとって何かしらの影響でこれは体内に入れてはダメだという反応がアレルギーとなるのですが、精油でもこうしたことがあることは知っておくべきです。
おおよそ精油の代謝は2時間前後と言われますが、その人の体調、体質などによってその時間は異なります。
さて、その代謝で一番反応するところはどこでしょう?
大きくは肝臓や腎臓です。
体内の血液中に入ったものは全て肝臓を通って肝門脈を通過して代謝を受けています。
ここで少し肝臓のお話をしましょう。
肝臓は約1.2kgの鶏肉などで見られるレバーのような塊です。薄い膜で覆われていて中にはたくさんの毛細血管があって肝臓内では色々なことをしています。
毛細血管には腸や脾臓などから運ばれてきた栄養素が運ばれてきて、それらを使って免疫に必要な成分を作り出したり、栄養素を分解したり、血液量の調節をしたり栄養素の貯蔵をしたり、そして大切な働きの中に代謝というものがあります。
50kgの体重のわずか1.2kg程度の臓器ではこれだけの仕事をしているので肝臓さんはいつもフル稼働です。
ただでさえ食べ物から入ってくるものの代謝でも忙しいのに、ここに薬や添加物、もっというと精油などの有機化合物が入るとフル稼働以上のお仕事をしています。
ストレスなどで疲れてくると、この肝臓さらに稼働します。血液をたくさん体に送るようにしたり栄養を作ったり入ってきたものを分解するのに力がいるのですが、それがマックスになると代謝・排泄能力が落ちて体の中ではオーバーフローとなり、その結果蕁麻疹などが出てくることがあります。
よく、突発性の蕁麻疹が出て皮膚科に行くと「お疲れでは?」と言われる方多いようですが、その意味は上記にあります。
さてこのような排泄する力なのですが、やはり限界はくるわけですね。というか、精油を飲み続けたり高濃度で使い続けたりすると肝臓や代謝機能がどうなっているか?を一度考えてみるといいかもしれません。
多くの飲む精油として発信している方のお顔はちょっとどす黒くなって乾燥しているいるように思うのは気のせいでしょうか・・・
これは肝の暴走で水分が足らなくなっているんですね。もちろん、精油のせいだけでなく、あちこち動き回る私のような人もお肌が乾燥しやすいんですが、これはいわゆる腎虚によるもので・・・というお話は講座でお伝えします。
精油はエネルギーの集合体でもありアポトーシスの原因にも!?
エネルギーは確かにあります。それは原子の構造を見たらわかるのでいいとして。
先ほど有機化合物の集合体であることを書いたのですが、いわゆる原子の集まりということなんですね。
で、その原子は陽子と中性子の外側を電子が回っているような状態です。この電子の動きはもちろんもっと小さな素粒子の動きが波動のようなものを生み出している・・・という説明が物理学的に正しいとは思いませんが。
有機物の集合体は実際に波動を持っていることは確かで、エネルギー的なものもあるのですけどね。
ということは、つまり。人間の体もエネルギー体でもあるわけです。
主に炭素、水素、酸素がメインでこれらはつまり原子であってこういう状態で体の構造はできています。
炭水化物が必要なのは炭素多めの構造であるからです(なので炭水化物カットの食事は栄養偏りますね)。
さて、このような原子の集合体である私たちがエネルギーを持つと言いますがこれは波動のような振動で、本来の体で機能していくエネルギーはブドウ糖を代謝する経路(解糖系)やアミノ酸の代謝経路からできるアセチルCoAの代謝経路、クエン酸回路により生まれるATPが体のエネルギーを作ります。
このATPはどこで作られるか?
それは細胞内にあるミトコンドリアの中で行われます。ミトコンドリアでの代謝回路には酸素が重要で、呼吸による酸素の濃度がある程度ないと代謝が進まないので呼吸は大切であると言われます。
さて、このミトコンドリアは精油によっても活性化されます。香りを使うと体が暖かく感じたり元気になった気がするのはミトコンドリアの活性によりエネルギーが生まれることもあるからです。
ところが、この精油をいつもいつも使っていたらどうなるか・・・
ミトコンドリアの活性が過剰となりその細胞のサイクルは短くなりますね。これが細胞のアポトーシス(細胞死)です。
こうなると体の老化が早くなるのわかりますか?だからアロマの使い過ぎは老化を促進させます(笑)
肝臓に負担をかけて老化させ、細胞に負担をかけて老化させる。これでいいのか???ということをよく考えてほしいと思います。
精油の採油率から見る
さて、エネルギーのお話ついでに。
精油は植物が作り出す二次代謝産物であることはみなさんご存知かと思います。
採油率と言って、植物からどのくらい精油が採れるかを考えてみます。
よく言われるのがローズ精油。先日行ったNARDの農場研修ではローズの蒸留を見せていただきました。
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蒸留の様子は企業秘密があるのでSNSに掲載することはできませんが。
この時の説明で100kgのバラの花びらから採取される精油はわずかに1〜2ml。
100kgの花びらって人間二人分の重量の花びらなわけですね。
花って、タネから芽が出て葉っぱになって花を咲かせる。その中で香りを作りだすということを考えるとどれだけのエネルギーが必要になっているか、がわかります。
このような採油率をレモン精油で換算してみました。
いろいろな説がありますが、レモン1個重さ約100〜150g、採油率は0.2%と言われるので400kgのレモンで精油1ℓ。もっとわかりやすく書くと、レモン1.3個で精油1滴ですね。
つまりレモン精油1滴使うとレモン一個くらいの皮を食べていることになります。そんなにいるかな?(笑)
ということです。
過剰のミネラル摂取にも注意が必要
最近ブームのミネラル摂取。
確かに食材の薬味成分の低下や外食産業の活発化でミネラル不足はあると思います。
でもそのミネラル、わざわざ商品買う必要あると思いますか?
日本は島国です。ミネラル豊富にあるのに外国の土のミネラルを製品化したものを使わなくても天然塩だったり海産物だったりから摂取できるのになぁと思うわけです。
また、過剰摂取は健康被害もあります。
マグネシウムは下痢、ナトリウムやカルシウムは高血圧、亜鉛は銅の吸収阻害による銅欠乏、SOD活性の低下、貧血、汎血球減少なんて怖いものもあります。
他にも調べると出てくるので気になる方は探してくださいね。
使い方にはとにかく注意して!!
そして何よりも。こうした商品をはじめ精油をお子さんたちにむやみに使わせないようにしてほしいということ。
子供たちのためには親のエゴです。
お子さんたちの体をみると彼らは生きる力が果てしなく大きいです。そして純粋。それなのに「自然のものだから」「天然だから」と言って子供たちにもいい、と言って精油を普段から使ったり飲料を飲ませるのはどうかな?と思います。
以前も色々ネットで見かけたのが、お子さんにラベンダー精油を使い続けていてある日湿疹ができたからと更にラベンダー精油を塗布していたのですが、結果ラベンダーが抗原となってしまい最後にはラベンダーの香りだけでも発疹が出てしまうという記事がありました。
一度体が化学物質に対してこれは抗原だ!と認証してしまうとそのロックは外れないとも言われます。
特に嗅覚からのものは大脳辺縁系にダイレクトなので本能的にシャットダウンします。
まだ未来ある子供たちに、親がこれはいいものだから・・と遣わせ続けた結果、子供の未来に香りのない世界が待っていることになるかもしれません。
新生児や赤ちゃんにとっての一番の香りはお母さんの母乳やお母さんの肌の匂いと言われます。
幼児期にも同じです。ただ、ちょっと風邪ひいた、というときに少し香りを使うくらいがちょうどいいですね。
本当にお薬は不要な風邪症状もありますから。でもそれは予めブレンドされたものでない方がいいかもしれないです。中にどんな精油が入っていて、前記したように神経の髄鞘に作用してしまうものもあるかもしれないからです。
最後に
今回、お客さまの体が本当にひどいことになっていたことと。お客さまのお話の中で不調のあるお子さんへの勝手なアプローチが気になってしまいました。
医師でもない一般の人がなぜそんな風に人に勧められるのだ??
その人たちのいう、その不調にこれがいいよ!は、どこの根拠なのか知ってるのか?
その言葉は上の人たちからの受け売りではないのか?
ちゃんと体のこと知って人に勧めているのか?
精油がなんたるか?を知っているのか?
そんな疑問がどんどん湧いてきました。
書く以上は相手を知ることも大切だとメーカーにも問い合わせしました。
でも、メーカーの電話口の方の言葉は「○○だから大丈夫です」の一点張りです。
精油は化粧品でも食品添加物でもなく、日本国内では「雑貨」です。
化粧品の定義は
「人体に対する作用が緩和なもので、皮膚、髪、爪の手入れや保護、着色、賦香を目的として用いられるもの」とされます。
つまり香りはほんの数パーセントでないとダメなのに、原液を化粧品として販売するわけです。しかもペパーミント精油が化粧品として原液塗布でオッケーだそうです。
こうしたことをしっかり知って、それでも使いたい方は使えばいいですね。でもそれを人に勧める時には一歩落ち着いて考えてみてほしいです。
以前、生薬学の教授だった方に、私精油を使った仕事しています。って話したことあるんですね。
そしたら、「え!?あんなに強いものを使って大丈夫??」と驚かれました。
そりゃそうですね、植物のことをよく知っている先生の見解はある意味正しいわけですね。それだけ植物由来は怖いんです。
ちょっと余談だけど、野草なんかも怖いですからね。植物の種類って派生派生でどんどん違う成分が作られます。そんなこともしっかりと気にかけて自然療法を楽しんでほしいです。
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