2018/03/05
抗菌アロマからの免疫と炎症
アロマで使う精油は有機化合物なのに。
なぜか薬学や医学で受け入れられにくかった背景に、科学的根拠がないということも1つの理由だったと思います。
でも、最近は。
病院でも少しずつアロマを取り入れるところも出てきたり、認定薬剤師の講座にもアロマの話が出て来ているという事実を見ると。
アロマもようやく日の目を見出したなぁ〜と思います。
それは、科学的な技術や過去にわからなかったことがどんどん解明されてくる中で。精油の成分も研究されてきて文献も出てきているという時代背景があります。
特にアロマの抗菌作用などは、先般実習したアロマトグラムなどを見れば一目瞭然なので、アロマの精油に抗菌力があるということは周知になってきています。
そしてこうした研究からどんどん出てくるアロマの可能性の裏付け。
アロマは抗菌だけでなく、免疫系や炎症性の反応にも作用してくるとなると、今までに対症的でしか方法がなかった疾患にも少しアロマを使う余地が出てくるのかもしれませんね。
そんなお話を少し書いてみましょう。
免疫には自然免疫と獲得免疫がある
「免疫」とは、ウイルスや細菌、病原体やカビ、花粉などのアレルギーとなる原因物質からから体を守る仕組みとして備わった私たち人間には必須のシステム。
その2つの中でも、異物が入ってきたら直ちに処理を行う「自然免疫」と、異物の情報をもとに異物に特異的な免疫反応をもって異物の排除を行う「獲得免疫」とがあります。
自然免疫は主にマクロファージや樹状細胞が担い、病原体をTLR(Toll様受容体)によって認識し、その結果いろいろな炎症性のサイトカイン(炎症を引き起こす物質)を分泌して炎症反応を引き起こしながら自然免疫や獲得免疫系の細胞を活性化してくることが最近わかってきています。
獲得免疫は無数にある病原体に対しそれぞれ特異的に反応し排除を行います。この際にはT細胞やB細胞といった細胞が活性化して、一部のB細胞は記憶細胞として将来の抗原の侵入に備えることがわかってきました。
自然炎症という考え方
自然免疫のところで、炎症性のサイトカインが出るということを書きました。
これは単純なことで、例えばウイルスが侵入してくると体はウイルスから守ろうとしてマクロファージを遊走させて、マクロファージがウイルスの貪食を始めます。この時にマクロファージからでるサイトカインにより、血管内皮細胞は収縮し、血管透過性が亢進(血管から血漿成分などが透過しやすくなる)することで、血漿成分が組織中に流出するために発熱や発赤などの「炎症」といわれる症状が起こるのです。
これはあくまでも単純な風邪のような症状になるのですが、損傷した組織片なども体にとっては異物の対象となるため体では常にマクロファージが働き、炎症性のサイトカインが出続けていわゆる「慢性的な炎症」を起こしている状態となるわけです。
こうなると炎症の終息はなく、組織の機能不全、異形成などが出てくることとなり、結果、神経筋肉の疾患、精神疾患、代謝性疾患、自己免疫疾患などの「自然炎症による不調」が現れることが最近の研究で分かってきたようです。
つまり、免疫に関与する細胞が暴走することで体の不調、癌や高血圧、高脂血症や動脈硬化が起こるということ。
認知症なども自然炎症によってできたβアミロイドの蓄積が原因とされる今、アロマを使って予防する、症状の進行を落ち着かせるなどの方法は決して眉唾でないということになります。
皮膚からの情報にも免疫が関与
そしてもう一つ。
アロマでのケアが体にいい理由が皮膚組織にもあることがわかってきました。
今までは表皮に存在している「ランゲルハンス細胞」が皮膚での免疫を司っていることはわかっていましたが
最近、表皮層のケラチノサイト(角化細胞)にもこうした免疫機能があるのではないか?ということもわかってきたようです。
ランゲルハンス細胞は表皮内を遊走しているのですが、ケラチノサイトになると表皮全体を覆うことになります。
漢方医学的に皮膚は肺の機能を持ちますが、やはり免疫系が肺系に属することもこうした表皮全体に免疫能があることがわかってきた今でこそ
納得いくということになりますね。
経験則からできた哲学は、やはり大切にしていかなければいけないと思った情報でもあります。
アロマケアでの健康維持
漠然とアロマは体と心にいいと言われますが。
こうして科学の発達とともにその裏付けがなされてくると、アロマもなかなか素晴らしいものだということが
少しずつ分かってきてもらえるのではないかと思います。
ハーブや漢方などの自然療法もいいですが、私は飲む、食べるより。
塗る、香るなどの方法が合っている方にはこちらをおすすめ。
太陽星座では水瓶座さんが香りの療法に向いているとも聞いたことがあります。
上の内容から考えると。
健康管理に使える精油は
- 抗炎症
- 免疫調整
- 免疫刺激
- 鎮静
- 副交感神経強壮
などの作用を持つ精油がいいかもしれませんね。
ちなみに私はマジョラムがどうしても手放せないんですよ・・・。
テルピネン4olを多く含む精油=副交感神経強壮
そしてこの香りを好まれる方は多くが慢性疲労を抱えていることも・・・(^^;
アロマケアで朝の寝起きはもちろん、心の調子も良くなりますよ。
落ち込むなどの方は寝る前にボディケアの一つに精油の希釈ブレンドオイルを使ってみてくださいね。
新しい時代。100年人生に向けてのアロマケア。
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