2018/07/22

アロマを勧めている人たちへ、子育て中のママ、そして医療に関わっているアロマ使いの皆様へ

連続のブログ投稿です。

この数日で精油の飲用(飲める精油?)

の記事のシェアがすごいです。

シェアくださった方は、疑問に感じながらももやもやしていた様子・・。

実は私もこうしたことを書くことにずっと懸念がありました。
今回記事を書くことにしたのは、この精油を飲んだという対象が子育てママ及び妊産婦さんだったからです。

そして、こうした記事を書くと身近な人もレモン精油入りの水を飲んだと声が・・・泣

ということで、さらに精油のことを書いていこうと思います。

 

アロマの精油は日本で雑貨扱い

なぜこうしたことが起こっているのか?

それは精油そのものが日本では「雑貨扱い」だからです。

いわゆる誰でも手軽に使えて誰でも手元におけるもの。
ここが実は落とし穴なんですね。

なのに精油はある意味「効果」(本来は効果や治るという言葉は使ってはいけません。使うと法律に抵触します)が出るので
お手軽に不調がよくなるという傾向となります。

ちなみに、精油には特徴的な芳香成分があります。
例えば、風邪の時に皆さんが使うユーカリ(Eucalyptus radiata 及び Eucalyptus globulus)などに多く含まれるのが1-8シネオールという成分です。

この成分は合成でも作ることが出来まして、試薬などにも利用されています。
(咳止めの研究などに利用されていることも)

医薬品としての扱いはないですが、指定医薬部外品の一つにこれを使った有名な商品があります。

これ、多くの方が風邪をひいたときにお母さんに塗ってもらったことがあると思います。
(胸に塗ると喉と鼻がスーッとして咳が落ち着くというCMもあったかも汗)

この商品には

  • カンファー(樟脳の香り)
  • テレピン油(マツ科の樹脂の香り)
  • ユーカリ油(シネオール臭でユーカリの香り)
  • ニクズク油(ナツメグの香りで非常に少量)
  • 杉葉油(杉の葉っぱの香り)

という、いわゆる芳香成分が含まれています。

こうした精油成分は合成でもあるし、天然由来のものもあるようですが。
商業ベースに乗せるには商品の安定化が必要なため、合成で作られることが多いです。

そしてこうした成分を医薬部外品で使うのですが、アロマでの精油は雑貨扱いなんです。

 

精油は決して気軽に使えるものではない

しつこいですが・・・
精油の飲用にご注意あれ

に書いたように、精油1滴には多くの植物や果実の果皮が使われています。

例えば、レモンの皮。
これを1回3個分、毎日毎日食べたらどうなるでしょうか?

レモン精油はレモンの果皮を絞って採取されています。
レモンの皮に見えるプツプツに精油が含まれています。

揚げ物をいただくとき、レモンを絞りますが。
このときは果汁も含まれていて、決して皮の精油だけではありません。

さて・・・引き続きレモンの精油で考えていきましょう。

レモン精油のいわゆる「作用」と言われるものは以下が挙げられます(ケモタイプ精油事典より)

  • 抗菌
  • 結石溶解
  • 血液流動促進
  • 消化促進

などです。
注意事項にはフロクマリン類による光感作が挙げられます。
いわゆる皮膚塗布したら4~5時間は日光に当たらないでね。ということです。

この精油を数滴ずつ毎日飲むとしましょう。

まず心配なのが「血液流動促進」です。
これ、静脈血のうっ滞をとって血液の流れを促すというものですが。
例えば妊婦さんが飲むと、血液の流れがよくなりすぎて(フロクマリンはクマリン系の化合物により血液をサラサラにしやすいです)
妊娠の継続が難しくなることもあります。

もちろん、オイル希釈して使うなど考慮することでこうした危険性はかなり低くなりますが、原液を溶けない水に入れて体内に取り入れるということ。
毎日というくらい飲むということにはこうした危険性が高くなると考えていただきたいのです。

 

メディカルの落とし穴(医療従事者のアロマ)

さて、今回の記事を上げようと思った理由はこのようなレモン精油の飲用を助産師さんに勧められたというお話もあったためです。

多くの方にとって、医療従事者というものは信頼度が高いと思います。
ありがたいことに、私も薬剤師という資格があるためにアロマをお伝えすることは知識的にもやりやすいです。
でも、私も万能ではなく、アロマという未知の世界の中ではまだまだ経験が浅い一人です。

経験値で伝えられているアロマの世界ですから・・・。

そして、精油はあくまでも「有機化合物」であることを念頭において使うべきです。

皆さんご存知のとおり薬でも作用と副作用があります。
薬は副作用よりも作用の方が有効率が高いと分かった時点で医療の世界に出てきます。
逆に言うと、薬でも医師や薬剤師の勧められるままに服用していると怖いことありますよね?
その世界と同じものをアロマの世界でも使っていることを認識したいものです。

私の周りのアロマを使う方たちは、日々すごく学んでいます。
解剖生理、薬理、化学、精油学。
だからこそアロマの使い方のさじ加減もわかるし、危険も見えてきます。

私がアロマを学んだ当初、皮膚疾患へのアロマは普通に使っていました。
アトピーにアロマ!なんてこともやっていましたが、最近の免疫学の発展によりアロマの精油が抗原(皮膚刺激の悪化の原因)になることも
あるということがわかってきて、皮膚へのアロマ使用はとても気を遣うようになりました。

(ここもさじ加減で使い方によっては回復に向かうこともあります)

大人よりも小さなお子さんの方が危険

ちょっと、今回のことがあってから、こうした飲用を勧めている方たちの投稿などを見てきました。
多くの方がお子さんの写真を載せています。

アロマは基本、6か月未満の子供には使えません。

どうしてもというときに限り、数回までの使用は可能ですが。
6か月未満のお子さんはこれから発達していく途中にあります。

精油などの「有機化合物」を取り入れることはお薬を毎日取り入れているのと同じです。
(精油の方が薬より低分子で代謝も早いです。だからある意味アロマは安全と言われます。)

妊婦さんだとご自身の代謝能力で多少緩和されますが、それでも精油成分は胎盤を通過するので
高濃度(原液など)で体内に取り入れることの危険性は見えてきます。

ペパーミントは3歳未満のお子さんへの使用を禁止しています。
ケトン類であるメントンによる神経毒性(たんぱく質の変性など)を引き起こすからです。

大人になると、精油が少しオーバーに入っても代謝能力がかなり備わるのでさほど影響も少ないでしょう。
でも、小さな子や。学生さんのようにストレスが多い子たちに使う精油はかなり注意を必要とします。

そして上でも書きました。
助産師さんは一番この小さなお子さんや大切なママさんに近い場所にいます。

もし精油の飲用をおすすめしている方がこの記事を読まれたら。
ご自身の中で「代謝能力」ということを考えてほしいと思います。

 

漢方的にみると食べ物もストレッサー!?

漢方的に体を見るときに考えるのが陰陽です。
世の中の事象にはすべて陰陽があるということで、体も陰と陽で考えます。

そうした哲学の中では空気はもちろん、食べるものすら私たち人間にとってはストレッサーとして考えるのです。

生命の源「腎」は食べ物が自分の体に必要か不必要かを判断しますが、生まれ持った体質や育つ過程で何かのきっかけで
「腎」がこれは拒否しなければ!と判断したものが食物アレルギーなどになります。

抗原抗体反応は免疫なので、「肺」に寄与すると考えますが生死にかかわるほどのアレルギーは「腎」の押印が必要になります。

このように、外から体に入るものはすべて私たちにとっては「邪気」。
アロマを高濃度で小さな子に使うのは、わざわざ「邪気」を入れていることになります・・・。

不調があるときはアロマで対応していくこともいいのですが、元気な子にわざわざ入れ続ける必要はないのです。

(こうやって書くとアロマやってると儲からないんですけどね・笑)

アロマはあくまでも現代社会、ストレスフルな社会で生きる者たちに使われるべきもの。
香育という言葉がありますが、香りを使っての育児は時に親の刷り込みにもなるので注意が必要だとも思います。

ただ、デュフューザーで香りを取り入れる。感染症の予防のために取り入れるなど。
予防医学的に使う使い方にもコツがありまして、こうしたコツを得ながらの使用がアロマの一番いい使い方だと経験的に思うのです。
(ちなみに、私はアロマケアはは週5日くらいで行いますが、週2回はお休みしますよ)

赤ちゃんや子供は未来の宝物。

けがれない状態で生まれてきた子に、何も外から異物を入れなくていいのではないでしょうか?

 

最後に・・・

今回、かなり辛口の投稿になりました。

ある意味、自分の首絞めてるかも??とも思います。

それでも伝えなきゃ!!の気持ちが勝ちました。汗汗

私の中に「自由と責任」という言葉がいつもあります。
自由は時に責任を生じるということ。

同時に「義務と責任」という言葉も出ます。
アロマを伝えるなら、安全性を確認させる義務があるのです。

以前いったリトアニアでの精油は薬局扱いでした。
一般の方は使えないのです。

フランスも多分精油は薬局か専門家の下にあるはずです。

保健医療が破たんしている日本で予防医学の必要性がどんどん色濃くなる中で。
自然療法の位置づけはとても大きくなってくるでしょう。
その中にアロマもあるということを心にとどめて活動してほしいです。

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アロマや精油のこと、使い方を正しく学んでお仕事にしてみませんか?

 

 

 

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この投稿へのコメント

  1. 123 said on 2018/10/04 at 9:45 AM

    こんにちは。D社のアロマオイルを使っている者です。
    使い始めたきっかけは、当時5ヶ月になる息子のよだれかぶれに、足裏に抗菌作用の強い(黄色ブドウ球菌などによく効く…)ブランドオイルを一滴塗る+クリームにラベンダー、ティートリー、ミルラを数滴混ぜたものを患部に塗り、
    翌日からかぶれが無くなり、みるみるうちに、綺麗な肌を取り戻したことに驚き、
    病院で処方されたヒルドルド軟膏では全然治らなかったので植物のパワーってすごい!と思い、使い始めました。
    今でも、蕁麻疹や虫さされにラベンダーを原液患部に。
    キャリアオイルにフランキンセンスやティートリーなどを混ぜて薄めたものを背中などに塗り、風邪予防をしたりしています。
    風邪をひいたときは抗菌作用のブランドオイルを足裏に…。
    こちらでは服用は危険…とのことですが、患部に塗るなどの対処法はどう思われますか?
    2時間で外に排出され、薬や添加物のように、体に溜め込まない、と促され、愛用していましたが、どうなのでしょうか…。

    • Lesprit Herbe said on 2018/10/04 at 12:40 PM

      こんにちは。コメント欄でありがとうございます。
      疑問に思われてブログ見てくださったのでしょうか?

      私的には、D社の使い方はノーです。
      だから使いませんし購入もしません。
      でもすべてがノーではないです。

      以下厳しい意見ですが書きますね。
      そしてあくまでも私の過去の経験からの見解です。

      お子さんが良くなられたのは確かに精油の作用だと思います。
      ヒルドイドは保湿だけなのでかぶれにはよくならないですよね。
      でも足裏に抗菌のアロマの原液塗布は必要ないと思って読みました。
      キャリアオイルでの希釈の分でよくなるのではないかな?と思っております。

      また、風邪予防に塗布は濃度にもよりますがあってもいいかと思います。
      でも毎日は控えてください。
      調子崩していそうなときに三日ほどという感じで使ってだめだったら病院です。
      精油だけで対応してると免疫も落ちてきて肺炎になってしまうことも考えられますよ。
      虫刺されにラベンダーは1~2回なのでありです。
      でも蕁麻疹はだめです。(肝臓に負担がかかって蕁麻疹は出るので)
      服用は基本精油はだめです。
      カプセルとして製品化しているものは時にありですが、精油をそのまま使うのは危険すぎます。
      足裏に抗菌の精油も私は危険だと思います。
      2時間で排出されますが、すべて排出されるわけではありません。
      体の中に微量にでも残ります。その証拠にベースノートの精油を使って夜ケアすると
      翌朝も香りが残ります。これはすべて排出されていないからです。

      厚労省は精油の認可をしているのは日本薬局方に基づいたものだけですよ。
      厚労省が精油を認可したら医療でも使われてきて一般の人には使えなるでしょう。

      ブログにも書きましたが。
      精油は植物が大量に濃縮されています。
      本来ラベンダーの花を刷り込むだけでも傷はよくなるのですね。
      それをキロ単位で濃縮して瓶に詰めているので強いのです。

      身体に入ったものはすべて代謝を受けます。肝臓はそのためにフルに働きます。
      働いて代謝しても次々精油が入ります。それも原液で・・・。
      また。血液に乗って精油は腎臓にも到達します。
      ここでは血液の中の水がろ過されて尿となって出る分と、もう一度体に戻る分とに分けられます。
      この中には精油成分も含まれるので、再利用された血液はまた肝臓に戻ります・・・。
      こうして2時間すると精油成分はかなり薄くなっているのですが、それでも0にはならないですね。

      それも小さなお子さんに使い続けると。
      この子たちが大きくなった時に体に確実に不調をきたしてきます。
      小さな子は何もなくても自然治癒力が備わっています。
      そこにむやみに予防とか元気になるとか言って精油を入れる必要はないですよね。
      そんなことしていたら体の弱い子になります。

      アロマは本来しっかり体のことを学んでから出ないと使ってはいけないものと思っています。
      だから講師業もやっています。
      香るだけならまだしも皮膚塗布したり飲用なんてもってのほかです。

      どうぞお子さんの人生を考えるなら、こうした使い方はやめてください。

  2. 123 said on 2018/10/04 at 10:40 AM

    ちなみに、通産省ではなく、きちんと厚生労働省を、通して日本でも販売しているから、安心安全に、飲用、塗布が、出来る、と言われます…。

    塗布も薄めて使えば毎日でも問題ない…?
    飲用も、風邪をひいたときなど毎日でなければ問題ないでしょうか??

  3. 123 said on 2018/10/04 at 11:55 PM

    丁寧なお返事ありがとうございます。
    D社の方々のお話だけを聞いて鵜呑みにするのもどうなのかと思い、情報を私なりに見てみたり、調べてみたりしているところです。
    (自分が楽しむ…だけではなく、子供の健康の為のものであったので…慎重になるべきかと。)
    こちらのブログは、とても勉強になり、どのような方が意見を伝えているのか、信用ができると思い、コメントさせて頂きました。
    わかりやすく答えて頂き、ありがとうございます。

    D社のオイルを飲用しても良い、内臓に負担がかからない理由としては、D社の精油の成分の中の、タンパク質と窒素が入っていない為…とのことでした。
    実際に小学生のお子さんがインフルエンザのような症状が出て精油をたくさん使っても7日間高熱が引かずにいたので(7日間高熱なのにどうしてすぐに病院に行かないのかと思いますが…)
    血液検査をして数値を調べたが、肝臓腎臓の数値は正常のままであった!
    との返答をもらいました。

    ラベンダーはラベンダーでも、ラベンダーの種類がある。
    ペパーミントも、葉の部分だけ使って茎は使わない。
    同じ植物でも部位によって成分が違うから、それもきちんと最新の検査方法で専門家が調べ上げて、第三者機関で成分調査をして、クリアしたものだけが、私たちの手元に来る。
    なので安心して使って大丈夫だ、とのこと。

    私自身、
    何事もやりすぎは良くない。と感じています。
    依存していくのも嫌です…。
    大病に侵されない限り、普通、に過ごしていくのが一番だと思いました。
    D社のオイルは信用できるものだとしても、
    使い方や向き合い方は考えていかないとな、と感じています。

    また、
    何か聞きたいことがあったらコメントをしても良いでしょうか…。

    • Lesprit Herbe said on 2018/10/05 at 12:05 AM

      申し訳ありません。
      コメントでの回答はここで終わりにさせてください。

      この手の問題に関して、D社の方が伝えている内容は、腑に落ちないことばかりなんです。

      肝機能腎機能の値が云々。その結果見せてもらいましたか?
      その見方わかりますか?

      そうやってわからない人達に対してさもこれはすごい!って言うのは、どう言うことかを考えてみてください。
      医療の傍にいる者としては、そういう行為自体許せないんですり

      タンパク質?窒素?精油には本来その元素は入りません。というか、タンパク質なんて普通経皮吸収されませんよ。

      ご自身がD社を信用なさっているのなら。
      とことんわかるまで。そちらの方々にお尋ねになるのがいいと思います。

      よろしくお願いします。

  4. 123 said on 2018/10/05 at 7:54 AM

    わかりました、、ありがとうございました。

    いえ、D社の人達を信用しているという訳ではありません…。
    何故、そんな風に伝えているのか、という疑問が消えなくて。

    たくさん教えて頂きありがとうございました。

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